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さぁ、始めよう。

仕事はもちろんのこと、勉強に趣味に使えるコワーキングスペースの魅力を紹介しています

コワーキングスペースとは

近年、全国各地で増加しているコワーキングスペースですが、「名前は聞いたことがあるがどんなところなのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。

コワーキング(Coworking)とは、いろいろな人が一緒の空間で同時に仕事をするという意味で、それを行う場所がコワーキングスペースです。

カフェはコーヒーなどドリンクを楽しむところですが、実際には仕事をしている人をたくさん見かけます。コワーキングスペースは非常に簡単に言えば「仕事専用のドリンクが売られていないカフェスペース」のようなイメージです。カフェのようにドリンクはありませんが、仕事をするための場所が提供されているのです(最近はフリードリンク制のコワーキングスペースも増えていますので、カフェよりお得なのかもしれません)。

カフェで仕事をしていると「そろそろ帰れと声をかけられるかも・・・」「ドリンクのお替りをしなければ・・・」など、スペースを使い続けていることに対して罪悪感を持つことが多いでしょう。しかし、コワーキングスペースは「スペースを借りている(使用する権利にお金を払っている)」のでカフェのように気を揉むようなことはありません。しかも、仕事しやすいように環境が整備されているという特徴があります。

ほとんどのコワーキングスペースで共通している設備には、フリーWiFi、電源コンセントがあります。その他、フリードリンク(コーヒーなどが飲み放題)といったサービスを提供しているとこも珍しくありません。

スペースもコワーキングスペースごとに特徴があります。

スペースのカラーという点では、今風のおしゃれなカフェと見間違えるほどに綺麗に整備されたところもあれば、オフィスの一角をコワーキングスペースとして活用しているところもあります。

空間配置という点では、複数人が同時に作業をできるように大型のミーティングテーブルを設置しているところもありますし、パーティションなどを設置して一人で集中して作業することができる空間を提供しているところもあります。また、テレフォンルームやミーティングルームなど用途に応じた専用の部屋を設置しているところも見られます。

営業時間は早朝から夜間というところが多く、契約内容によっては24時間利用できるところも珍しくありません。ドロップインという一時利用が可能なところのほか、月額で長期の利用を前提としているところも見られます。

全国各地でコワーキングスペースが増えた結果、さまざまなスタイルのコワーキングスペースが登場しており、利便性は高まっていると考えて良いでしょう。

長野県のコワーキングスペースについて

現状

長野県はコワーキングスペースが他県に比べて比較的多いと言われています。長野県は土地が広いということも理由の一つですが、他にも「移住」や「テレワーク」などを長野県が積極的に推進していたため、コワーキングスペースが多く作られたと考えてよいでしょう。

出所:全国のいいオフィス出店状況(2021年7月12日現在)

某加盟店に登録している数は、2021年時点で長野県に17店舗あります。これは、埼玉県14店舗、千葉県12店舗よりも多く、東京都113店舗、大阪府31店舗、神奈川県25店舗に次ぐ第4位の店舗数です。

加盟していないコワーキングスペースも含めると3倍程度の店舗数が考えられるため、長野県には50店舗近くのコワーキングスペースが存在するといえそうです。

ただし、コワーキングスペースというのは、一度作られればずっと存在するというものでもありません。特に自治体の主導で開設・運営されているものは、予定された期間の経過や役割の終焉に伴って運営も終了することが目立ちます。

長野市のコワーキングスペース

長野市のコワーキングスペースに関する統計データはありませんが、コワーキングスペースの数は10店舗程度あると考えられます。長野県では、長野市と松本市が居住人口も多いため、結果的にコワーキングスペースの数も多いと言えます。

規模感

規模は様々ですが、比較的大型の施設が多いようです。雑居ビルの一室をコワーキングスペースとして運営しているようなところは少なく、ビルのワンフロア、工場一棟、ビル一棟などを使って大型の施設運営を行っているところが見られます。

その他、一戸建て(住宅)を改修のうえコワーキングスペースとして利用したり、自社内の一角をコワーキングスペースとして貸し出したりしているようなケースも見受けられます。

行政自体が運営しているコワーキングスペースは長野市には見当たらず、過去に民間事業者のコワーキングスペース開設を後押しするよう補助金による支援が長野市より行われていた経緯があり、その時代に開設されたコワーキングスペースが今も見られます。

長野市のコワーキングスペースは、経営的にそれほど簡単とは言えないようで、既にいくつかのコワーキングスペースがクローズした事実もあります。ここ数年は新しく開設される店舗よりも減少している店舗数の方が多いかもしれません。長野市民にとってコワーキングスペースはまだまだ一般的な存在であるとはいえず、ニーズは潜在的であると言えます。

長野市以外に目を向けてみると、須坂市や中野市には行政が運営するコワーキングスペースと民間事業者が運営するコワーキングスペースの両方が存在します。また、上田市には民間事業者運営によるコワーキングスペースが見られます。

コワーキングスペーストレンド

最近のトレンドとしては、カフェのようなコワーキングスペースよりも、「シェアオフィス」と呼ばれるスタイルが人気となっています。

新型コロナウイルス感染症が終息し、ポストコロナ時代においてはリスキリングやキャリアアップなどで資格取得を目指す社会人が増えています。資格試験に突破するためには中長期での勉強が必要で、特に自習が要になってきます。

近年、コワーキングスペース利用者の中心は自習をする社会人へと移行してきており、自習室としての機能を備えたコワーキングスペースが人気なのですが、どちらかというとコワーキングスペースというよりは「シェアオフィス」に近いスタイルが主流です。コワーキングスペースのように会話をしながら仕事をしたり、人脈を拡大したりという目的よりも、自分の世界で集中して自習したいというニーズが強いため、パーティションなどで区切られた集中空間が好まれる傾向にあります。コワーキングスペース運営者も、サイレントルームや自習専用ルームなどを設け、資格試験などの勉強に活用できるよう配慮しているところが目立ってきました。

もともとコワーキングスペースの主要顧客層には「高校受験生」や「大学受験生」といった、勉強組が含まれていました。1月以降、本格的な受験を前に、図書館などの行政が運営する施設は朝から受験生による場所取りが激しく、そこから漏れると勉強する場所に難儀するということから、受験生の一定数はコワーキングスペースを有料自習室として利用していました。最近は、高校受験や大学受験だけではなく資格受験へと裾野が広がったものと言えます。

実際、難関の資格試験に挑戦するため仕事を辞めて勉強に専念する社会人は珍しくありません。司法試験や司法書士、公認会計士や税理士、行政書士や社会保険労務士などは仕事を辞めて勉強に専念する社会人受験生が多く、そのような受験生からすれば自宅で勉強をするよりもコワーキングスペースやシェアオフィスを利用した方が時間にメリハリもでき、集中できるため人気となっているわけです。

コワーキングスペースは今後、学生などの受験生に加えて、社会人向けの自習室としての役割を担うことになることが予想されるところです。